「Hikariba芸術祭2025」出展掛軸のご紹介

先日のブログでもご紹介しましたが、
2025年9月13日に埼玉会館にて開催された ヒカリバ芸術祭2025 にて、武笠表具店から掛軸作品を4幅出展致しました。

ヒカリバ芸術祭は、今年初開催。
音楽・ダンス・現代アート・伝統工芸と、ジャンルの枠を超えた展示やパフォーマンスが一堂に会するイベント。
さらに体験型のワークショップも数多くあり、来場者も子どもから大人まで幅広く、まさに“お祭り”という雰囲気でした。
そんな場だからこそ、今まで掛軸を見たことがない人や、「掛軸=床の間に飾るもの」という印象を強く持っている人にも
新鮮に映るような掛軸を出展したいと考えました。

そんな掛軸を作るにあたり、一番の肝となる「本紙」については、
幸いなことに、イベント主催者様のご縁で、とても魅力的な画を手にすることができました。

まずはそのご紹介から。

「砂漠色の昨日」 (坂本那々莉様 作)

「いちばんすてきな色」 (坂本那々莉様 作)

「無題」 (加藤星花様 作)

「無題」 (加藤星花様 作)

以上の4作品を表装させていただくことになりました。
今回の作家さん、坂本那々莉さん、加藤星花さんは、いずれも 東京藝術大学絵画科油画専攻を卒業され、
普段は油絵を主に手がけておられます。

しかし、今回のように掛軸の本紙に使う画には「薄塗」が求められるため、
油彩のように何層も重ねて絵具を盛り上げていくことはできません。
お二人にとっては創作上の大きな制約であったはずですが、その制約の中で印象的な画を仕上げてくださいました。

それを掛軸に仕立てた写真をご紹介します。

表具の面では、あえて装飾性を抑えたシンプルな仕立てとしました。
裂地の色味は作品の印象を妨げないよう極力控えめに。
サイズ感や本紙の配置も、床の間でなく、リビングや玄関といった日常の空間に自然に掛けられることを意識したつもりです。

掛軸は本来、床の間に飾られるものですが、そこから解き放たれ、もっと気軽に「絵を掛ける」感覚で楽しんでもらえる形を模索しました。
芸術祭の多様な来場者層に向けても、いわゆる「昔ながらの掛軸」とは違う、現代的で新しい掛軸の姿を見せられたのではないかと思います。

ん?掛軸の横に変なパネルがあるな?
と気づかれた方!おそらくいないでしょうが、蛇足でご紹介です。
今回のイベント用に、子供(だいたい小学校3年生くらい)でもわかりそうな掛軸の解説パネルを作成してみました。
すみません、不勉強につき、内容に間違いなどありましたらお知らせいただけますと幸いです。。

調子に乗って、クイズなども入れてみましたが、私が見る限り挑戦している人はいませんでした(笑)

出展を終えて。

会場では、「掛軸って、日本画・水墨画・書道のイメージだったけど、そうではない掛軸を初めてみた」
「これなら床の間のない我が家でも飾れそう」といった声をいただきました。
掛軸は、作品をただ収めるための器ではなく、表具によって新しい見え方や空気感を加えることができる「舞台」だと思っています。
目立ち過ぎたら作品をぶち壊すし、控えめ過ぎたら役に立たない。絶妙なバランスが求められます。

今後も、伝統的な技を大切にしながら、幅広い作家様とも協働しながら、新しい掛軸のかたちを探っていきたいと思います。

なお、「ヒカリバ芸術祭」は規模を拡大して、来年も埼玉会館・浦和の街を中心に開催予定とのことですので、
是非来年の開催にもご期待ください!

Follow me!