掛軸と絵画のミライ展、出展作品のご紹介

おかげさまで表粋会主催の、

「掛軸と絵画のミライ展」(過去ブログ参照)、

大盛況の中、終了いたしました。

 

今日はその「掛軸と絵画のミライ展」に出展した掛軸のご紹介です。

思い返せば1月中旬、軸装用の画が

各大学の学生・院生・教授から集まり、

どの画を誰が担当するか、表粋会内で検討しました。

いずれの画も魅力的でしたが、その中で私は、

東京藝術大学の菊地貴子さんの画に最も惹かれ、

この画を掛軸にすることに決めました。

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写真では画の魅力が十分に伝わらないのが残念ですが、

とにかく煌びやかで素敵な作品です。

掛軸にするにあたり、まずは全体のデザインと寸法を検討です。

今回の作品展のコンセプト(?)でもある、

床の間でなくても掛けられる掛軸を意識し、

伝統的な寸法・比率は無視して、一から検討しました。

PC上でさんざん検証したあと、

部屋の中にテープを貼ってサイズ感を見てみたり、

最終的には模造紙で実寸サイズのサンプルを作ってみたりしました。

そんなこんなで寸法は決定し、肝心の裂はマスミ東京にて

イメージにぴったりのものを入手しました。

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画のイカに合わせて、深海を思わせる黒の裂。

これを天地で使います。

続いて、銀の砂子がグラデーションで入っている裂。

これは中廻しに。

そして画の色調に合わせた金の裂。

これは本紙の周囲と天地に入れる筋に使います。

 

そんなこんな、紆余曲折があり、完成した掛軸がこちらです。

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タイトルは「煌(きらめき)」。

本紙の煌びやかさを引き立てるため、

全体の色調は落ち着いたものにしました。

また、本紙を中央から右にずらすことで、

天地に通した金の筋がより印象的に見えるようにしました。

海底に射し込む一筋の光が表現できたかなと、

個人的には満足しています。

 

ちなみに今回、図録とポストカードも製作しました。

自分の作った掛軸が図録に載る日が来るとは。

 

この掛軸は会場で販売していたのですが、

残念ながら会期中は売れませんでした。

ということで、引き続きご購入いただけますので、

もし興味がありましたらご連絡ください。

 

当表具店では、こんな感じで掛軸の制作も承っておりますので、

ご検討中の方は掛軸のページもご覧いただきつつ、

ご連絡いただければ幸いです。

 

 

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