新規製作

ご自身で書かれた書や画の作品はもちろん、

手ぬぐいやポスターなど既製品でお気に入りの紙・布も屏風に

お仕立てできます。

掛軸3

古い作品の仕立て直し

代々受け継いでいる屏風の虫食いや汚れが目立つ、

開閉する部分の紙番(かみつがい)が破れてしまった、縁に傷がついた、

等々、お悩みがある場合はご相談ください。

修復

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屏風のメンテナンスについて!!屏風の仕立て直しの基礎知識!!

屏風の管理やメンテナンス、みなさんはしっかりされていますでしょうか?仕立て直しをしようと思いつつも、そのままの状態で保管されている方も少なくありません。ここでは、屏風の仕立て直しに関する基礎知識をお伝えします。是非、仕立て直しを行う際の参考にしてください。

屏風について

屏風の数え方

屏風の1枚1枚は扇(せん)と言います。六扇で構成される屏風は六曲屏風。二扇で構成される屏風は二曲屏風と言います。この屏風1つは一隻(いっせき)と呼ばれます。
屏風は左右に1つずつ配置することが基本とされていたため、二隻で一揃えとされます。そのため、六扇の屏風は1つだと半双(はんそう)、2つ揃うと一双(いっそう)と数えられます。
二曲屏風や四曲屏風も同様に、二つ揃って一双と数えます。昔は「隻」は「畳」、「双」は「具(よろい)」と呼ばれていました。

主な屏風の種類

本間二曲屏風(ほんけんにきょくびょうぶ)

最も一般的な屏風です。高さは鴨居の下(5尺7寸、1m73cm程度)まで。防風や装飾の目的で使われます。

本間六曲屏風(ほんけんろっきょくびょうぶ)

こちらも一般的な屏風です。来客の際に襖の目隠しとして使用されます。高さは鴨居下まで。幅は平らに広げたときに畳二帖分とされています。(柱から柱までの幅とする説もあります)
ただ、畳の寸法は「江戸(関東)間」「京間」などいくつかのサイズがあるため、京間の本間六曲屏風と江戸間の本間六曲屏風では寸法が異なります。

金屏風(きんびょうぶ)

結婚式や宴会などで主役の背面に立てて、晴れ舞台の装飾として使用されます。

風炉先屏風(ふろさきびょうぶ)

茶室でお湯を沸かすときに「風炉」と呼ばれる釜の前に立てて使用します。二曲屏風で寸法は2尺・巾2尺8寸程度のものが一般的ですが、茶道の流派によって寸法や仕様が異なり、利休好、宗旦好などと呼ばれます。

枕屏風(まくらびょうぶ)

防風・防寒の目的で枕元に立てて使用する二曲屏風です。決まった寸法はなく、丈の低い小さな屏風を指して枕屏風と呼ぶこともあります。絵や書を張り込んで部屋の装飾目的で使用されることもあります。

屏風の管理で気を付けたいこと

保管の基本について

保管する際の基本として、屏風と言うのは環境の影響を受けやすい構造であることにご注意ください。ちょっとした事であっても傷みやすい性質を持っていることを覚えておきましょう。雑に扱ってしまうとシミや汚れなどの原因に繋がります。また保管の際は、斜めに立てかけたりせずに、必ず垂直に置くようにしましょう。長期間そのように保管をされると屏風本体がねじれる原因になる可能性があります。

飾る際にも水滴や花粉・ほこりなどが付着しないように配慮することが大事です。少しの水滴や花粉でも影響するのかと疑問に思うかも知れませんが、ほんのわずかな付着であっても、長い年月をかけて徐々に屏風の劣化は進行していきます。また、直射日光が当たる場所に飾ることも、日焼けの原因になりますので避けましょう。

屏風を保管する場所にも注意が必要です。シミやカビなどを引き起こす原因にも繋がりますので、湿度の高い場所・風通しの悪い場所に飾ったり、保管したりするのは避けましょう。また、直射日光が当たる環境に飾ると、紫外線の影響で表面にヤケや変色が起こりますのでご注意ください。押入れの中に一年中入れっぱなしにするのも、よくありません。そのような場合は、必ず年に1~2回、天気が良く湿度が低い日に押入れから出して虫干しをするようにしましょう。その際は、変色があったり、虫に喰われている箇所がないか、細部までチェックしてみてください。特に開閉の機構部である紙番(かみつがい)に痛みがないかは十分にチェックしましょう。紙番が傷んでしまうと、修復はとても大がかりな作業が必要となってしまいます。全体を見て、ちょっとでも異変を感じたら、まずはお近くの表具店にご相談されることをお勧めします。

乾燥について

屏風は、エアコンの温風や冷風が直接当たらないよう配慮することが大切です。湿度が急激に変化すると屏風の状態も変化します。湿度が高いことが屏風に悪いからと、敢えて乾燥させることも避けましょう。異常に乾燥した環境も、屏風にとって良い状態とはいえません。

汚れや傷、ねじれ・ゆがみについて

屏風に汚れをつけてしまった場合、ご自分で汚れを取ろうとはせず、専門の表具店にご相談されることをお勧めします。付着物や、浸透具合によって修復の仕方も様々です。ご自分で作業されて、結果的に屏風の状態が悪化することもあります。屏風を移動する際などに、縁や本体に傷がついてしまうこともあります。わずかな傷であっても、そこから劣化が進行することもあります。速やかに専門の表具店にご相談されることをお勧めします。先述のように保管の仕方によっては、屏風本体がねじれたりゆがんだりしてしまうことがあります。その場合、屏風の下地となる骨から作り直す必要があります。ねじれ・ゆがみの兆候がある場合も、専門の表具店にご相談ください。

こうして、汚れたり傷ついたりして状態が悪くなり、飾ることができなくなった屏風は、修理・修復が難しそう、プロに頼むと高額になりそう、といった理由で処分されてしまったり、押し入れや物置の奥に放置されてしまったりしがちです。汚れやシミなどは、発見が早いほど修復が容易な場合も多くあります。まずはこのような兆候を見つけたら、お早めにお近くの表具店にご相談ください。

修理・修復の仕方も、文化財の修復のように手間と時間がかかるものから、簡易・安価に済ませるものまでさまざまあります。また、元のままの屏風として復活させるのではなく、寸法を変えたり、使う裂を変えてリメイクしたりすることもできます。絵や書の部分だけを切り出して、掛軸や額やパネルにすることも可能です。汚れや傷を放置せず、早めに表具店にお持ち込みいただき、新たな活用方法を是非ご検討ください。

主な屏風の仕立て直しの内容とは?

屏風の仕立てについて

屏風の仕立ては、とても手間のかかる作業です。本格的な屏風であれば、6~7回の下張りの工程があり、様々な種類の和紙を使用します。特に屏風を開閉させる機構部の紙番(かみつがい、紙丁番ともいう)は屏風の命ともいえる存在です。この紙番には、もっとも丈夫で強い和紙を使い、繰り返しの開閉に耐えられるように仕立てます。仕立てにかかる費用ですが、仕上げに使う裂や和紙、縁の種類(形状や塗装)によって大きく変わります。

一般的な屏風の修理について

屏風の修理は、紙番が傷んでいるか、傷んでいないかで大きく内容が異なります。蝶番が切れている場合、または切れかけている場合は、屏風の本体に穴や傷、汚れがなくとも、表裏の仕上げを剥がして作業をしなければならないため、手間と時間のかかる作業となります。逆に、紙番が傷んでいない、あるいは軽度の傷みであれば、比較的軽微な作業で修理が可能なこともあります。

後世に残すために修理・修復は大切!

仕上がったばかりの屏風は、その時は綺麗で美しく見えても、使用していく内にどうしても経年劣化していきます。そして、どんな和紙や糊が使用されているかで、その変化にも大きな差が出てきます。
小さな傷や汚れ、初期の傷みであれば、修理・修復が比較的簡単にできることもあります。また、古い作品の場合、見た目ではわからないところで劣化が進行しているケースも多々あります。
お家に代々伝わる思い入れのある作品や価値ある美術品・骨董品の場合、いかに今の状態を維持し後世に受け継いでいくか、というのはとても大事な問題だと思います。
そのような作品がお家にある場合、是非一度、お近くの表具店にご相談ください。

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