■新規製作
ご自身で書かれた書や画の作品はもちろん、
手ぬぐいやポスターなど既製品でお気に入りの紙・布も額に
お仕立てできます。

■古い作品の仕立て直し
代々受け継いでいる額の汚れや傷が目立つ、
等々、お悩みがある場合はご相談ください。

和額のメンテナンスについて!!和額の仕立て直しの基礎知識!!
和額の管理やメンテナンス、みなさんはしっかりされていますでしょうか?仕立て直しをしようと思いつつも、そのままの状態で保管されている方も少なくありません。ここでは、和額の仕立て直しに関する基礎知識をお伝えします。是非、仕立て直しを行う際の参考にしてください。
額の基本
額の種類について
掛軸や屏風を持ってないお宅でも、額はお持ちだったりするのではないでしょうか。一言で額と言っても、種類は様々あります。
現在、もっとも一般的なのは、写真を飾るような「洋額」と言われるタイプのものではないかなと思います。洋額は、その名の通り、洋画(油絵・水彩画・デッサン画)を飾るのに用いられる額です。
日本画や水墨画、書を飾る場合、「和額」が使われます。他にも色紙や短冊を飾ることもあります。また、欄間に飾る横長の額「扁額」も和額の一種です。
これ以外の分類で、賞状額や叙勲額などもあります。
それぞれサイズも形も様々あります。また、日本画をあえて洋額に飾ったり、(額装ではありませんが)縁のないアクリルパネル仕立てにするといったことも出来ます。
額装の役割とは
額装とは、その名の通り、絵や書の作品を額に納める仕立てのことです。
額装にあたっては、まず飾る本紙に対して「和額」「洋額」など、どの形式が適しているかまず判断します。本紙に対して額の寸法をどれくらいにするか(どれくらい余白をもうけるか)も、作品を魅力的に見せる上で重要なポイントとなります。上下左右均等に余白を設けて、中央に作品を配置することもあれば、あえてずらすことで印象を変えることもあります。
和額の場合、その上で作品の背面となるマット(布)の色や柄をどうするか、本紙の周りに筋や覆輪と呼ばれる装飾を施すか、また縁の素材や塗装はどうするか。などなど額装には様々な方法があります。
またこうして額装することで、本紙が保護され、汚れや傷、折れや皺を防ぐことができ、長期に渡って保存することが可能となるのです。
和額の管理で気を付けたいこと
保管の基本について
保管する際の基本として、和額と言うのは環境の影響を受けやすい構造であることにご注意ください。ちょっとした事であっても作品を傷める原因となることを覚えておきましょう。
飾る際には、直射日光があたらない場所を選びましょう。紫外線の影響で表面にヤケや変色がでる原因となります。エアコンの温風や冷風が直接当たらないよう配慮することも大切です。湿度が急激に変化すると作品の劣化を速める原因となります。また、一つの作品を飾り続けることも避けましょう。こちらも経年劣化を速めてしまう可能性があります。どれだけお気に入りの作品であっても、定期的に箱にしまって休ませるなどの配慮が必要です。
その保管ですが、直射日光があたらないことはもちろん、風通しが良く、温度湿度がなるべく一定の場所を選んでください。特に夏の湿度と冬の乾燥、これを繰り返すと、作品に亀裂が発生したり、カビが生えることもあります。保管の際は、箱を平置きせずに立てて置くことで、風通しが良くなります。
押入れの中に一年中入れっぱなしにするのも、よくありません。そのような場合は、必ず年に1~2回、天気が良く湿度が低い日に押入れから出して虫干しをするようにしましょう。その際は、変色などがないか、細部までチェックしてみてください。全体を見て、ちょっとでも異変を感じたら、まずはお近くの表具店にご相談されることをお勧めします。
汚れやシミ、傷について
和額に汚れやシミ、傷がついてしまった場合、ご自分で何とかしようとはせず、専門の表具店にご相談されることをお勧めします。付着物や、浸透具合によって修復の仕方も様々です。ご自分で作業されて、結果的に状態が悪化することもあります。
こうして、汚れたり傷ついたりして状態が悪くなり、飾ることができなくなった和額は、修理・修復が難しそう、プロに頼むと高額になりそう、といった理由で処分されてしまったり、押し入れや物置の奥に放置されてしまったりしがちです。汚れやシミなどは、発見が早いほど修復が容易な場合も多くあります。まずはこのような兆候を見つけたら、お早めにお近くの表具店にご相談ください。
修理・修復の仕方も、文化財の修復のように手間と時間がかかるものから、簡易・安価に済ませるものまで様々あります。また、元のままの和額として復活させるのではなく、寸法を変えたり、使う裂を変えてリメイクしたりすることもできます。絵や書の部分だけを切り出して、掛軸や屏風やパネルにすることも可能です。汚れや傷を放置せず、早めに表具店にお持ち込みいただき、新たな活用方法を是非ご検討ください。
後世に残すために修理・修復は大切!
仕上がったばかりの額は、その時は綺麗で美しく見えても、飾っている内にどうしても経年劣化していきます。そして、どんな和紙や糊が使用されているかで、その変化にも大きな差が出てきます。
小さな傷や汚れ、初期の傷みであれば、修理・修復が比較的簡単にできることもあります。また、古い作品の場合、見た目ではわからないところで劣化が進行しているケースも多々あります。
お家に代々伝わる思い入れのある作品や価値ある美術品・骨董品の場合、いかに今の状態を維持し後世に受け継いでいくか、というのはとても大事な問題だと思います。
そのような作品がお家にある場合、是非一度、お近くの表具店にご相談ください。