書道、書道教室をされている方が作品展を開催(主催)したいと思う場合、形式は、おそらく社中展・個展・グループ展のいずれかになるかと思います。いずれの場合でも、当表具店はご希望に添ったお仕事が可能です。理想の会場や、会期など、まずはご自身で検討されることをおすすめします。もし、ご自身では行き詰まる点などあれば、是非当店にご相談ください。作品展の主催を検討されている場合、まずは、以下の点をご検討ください。

どのように会場や会期を決めるか

①どれくらいの広さの会場が必要か

といっても判断が難しいと思います。まずは、大まかな作品数とその幅寸法を算出し、どれくらいの壁面が必要かご判断いただくのが良いかと思います。

②展覧会をどのエリアで開催したいか

都内?、埼玉?、神奈川?。都内ならば、23区内?外? などなど。続いて、そのエリアにどのような会場(美術館・文化センター・画廊等)があるか、そして、その会場に、ご自身主催の作品展に見合った広さの展示室があるかをご確認ください。

③開催期間(○○年○月~○月、おおまかでもOK)をいつにするか

※通常①⇒②⇒③の順番で決めていきますが、「どうしてもこの日程で開催したい」とか「どうしてもこの会場で開催したい」という強い希望がある場合、①②③は入れ替えて検討しても問題ありません。

会場と開催日程の目途がついたら、

④会場への空きの確認・問合せ

さっそく会場に問合せです。空きがなければ、会場・開催期間を再検討してください。良い具合に場所と期間が決まりましたら、

⑤会場の仮押え⇒正式契約

となります。

次に、

会場に見合った作品展数(作品の寸法も)の割り出し

ここで、生徒さんから募集する作品数(個展であればご自身で制作する作品数)の決定、

及び、

⑦出展料の決定

支払っていただく出展料が決まります。

ここまで来ましたら、ひたすら、

⑧会場を満たす作品数を集めることにご尽力ください。

(予想を超えて集まり過ぎた場合、予想を下回って目標数に達しなかった場合も何とかやりようはあると思います。)

出展数の目処が立ちましたら、

⑨会場さんとの打合せをされることをおすすめします。

特に初めての展覧会の場合、上手くいくかどうかは、会場側もとても気にしています。比較的初期の段階で展示数の状況をお伝えするのが良いと思います。なお、その際、会場担当者様との打合せに立会いが必要でしたら当店にご用命ください。無償で立会い致します。

その際に、

⑩搬入出・設営撤去の確認も致します。

搬入出の際の車両の経路の確認、搬入出可能な時間の確認、使用して良い機材や工具の確認、留め置き可能な駐車スペース、留め置き可能な時間、その他会場で定められている設営撤去に関する規則の確認も致します。会場によっては、正式な契約後に、会場内の展示レイアウトの提出を求められることもあります。当店ではそちらも無償で作成し、会場に提出致します。

作品の展示方法をどうするか

作品の展示手法は、多くの書道展を見る限り、大まかに、「レンタル額」「額(購入品)」「パネル」「掛軸」「簡易な掛軸風の仕立て」に大別されると思います。

レンタル額」は、当店でも所有していますアルミの額に表装して展示する方法です。レンタルのため、出展費用は安く済み、かつ他作品に負けない見映えとなります。会期後は、作品を額から剥がしてお返し致します。

額を購入」して展示される場合。費用は高くなりますが、その作品に合った額の選択ができます。木製の額などを希望される場合、額を購入いただくことになります。縁の形状や色など細かくご指定いただくことが出来ます。もちろん会期後はそのままご自宅等に飾ることが可能です。

パネル装」は、小品や、学生さん・お子様、書道歴の浅い生徒さんの作品に採用されることが多いです。会期後にそのままのかたちでお持ち帰りいただけるというメリットはもちろん、当店では作品に合わせたデザイン張りのご提案もしておりますので、是非ご検討ください。

掛軸」に仕立てて出展される場合、他の展示方法より、仕立てに手間がかかる分、費用は高めになりますが、会期後にご自宅に持ち帰って飾ることもできますし、巻いて小さくなることで、額やパネルと違って、保管時に場所を取らないというメリットもあります。「今後も自分の作品を自宅で飾れるように仕立てていく予定」「でも飾る場所も保管場所も十分にない」、という場合は掛軸でのお仕立てをお勧めします。シンプルな仕立てであれば、思ったより費用はかかりませんので、是非ご相談ください。

これ以外に書道展でよく見かける展示手法としまして、「簡易な掛軸風の仕立て」があります。「仮巻き軸」、「仮表装(仮巻き表装)」、「紙表装」という方法があります。いずれも、作品を美しく見せる、ある程度長期に渡って作品を傷・痛み・劣化なく保存する、という点において難があるため、当店ではお取り扱いしておりません。ご了承ください。とはいえ、それぞれどのような特徴があるのか、下記に記します。

仮巻き軸は、書道品店などで販売されている既製品の仮巻き軸を購入し、ご自身で作品を貼り付けて展示する、掛軸風の展示手法です。見映はともかく、最も安価に展示することができます。

仮表装は、上記の内容を表具師が行う内容です。作品については裏打ちを致します。こちらも見映はともかく、安価に展示するための展示方法です。

紙表装は、通常は裂で仕立てる本紙の周囲を、色や柄のある紙で仕立てる方法です。使用できる紙は数種類に限られます。

いずれの方法も見た目は掛軸風ですが、本紙の魅力を引き立たせ、かつ長期の保存にも耐えるという点で難があるため、当店ではお取り扱いしておりません。

ちなみに。今では当たり前となっているアルミ製のレンタル額ですが、当店では最初期(1957年頃。当時は木製額が一般的でした)から導入し、多くの書家様にご愛用いただいてきました。その経験と実績を活かし、数10点~100点超の作品が並ぶ社中展・個展・グループ展の表装・展示のお手伝いも手がけております。

社中展・個展・グループ展の開催をご検討中であれば、是非当店にご相談ください。