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裏打ちが「ぬける」

冬晴れで乾燥した日が続いていますね。

そんな日に、表具師が気にするのは、

「ぬける」ことです。

◆

「ぬける」とは?

裏打した作品がピンと張った状態になるように

乾かしている途中で、

乾燥によって「ぬけ」てしまい、

裏打ちした作品が、でろんでろんになってしまうことです。

◆

書や画といった作品を掛軸や額、屏風に仕立てる際、

まず、表具師は作品の裏打をします。

作品に霧吹き・刷毛等で湿り気を加え、

湿り気が紙全体に行き渡ったら、

紙の折れや皺が無くなるよう、刷毛でよく伸ばし

そこに、糊を付けた裏打紙を置き、刷毛で撫でて接着します。

いったんそのまま乾かしますが(敷き干し)、

それだと、湿って伸びている紙が、

乾くとともに勝手気ままに縮み、

くちゃくちゃの状態になります。

◆

そこで再度、霧を吹いて紙を伸ばしてやり、

今度は、紙の周囲に糊をつけて、仮張り板に張り込み、

乾かします。

こうすると、周囲の糊付けしたところが最初に乾き、固定され

その後、中央部が徐々に乾くとともに収縮することで

ピンと張った状態に仕上がります。

◆

なのですが、、極度に乾燥した日ですと

そううまくいかないことがあります。。

作品の周囲の糊が乾いて固定される前に、

紙の中央部が急激な乾燥で縮むことで、

周囲が引っ張られ、

仮張り板から剥がれてしまうのです。

これが「ぬける」です。

文章で説明するの、難しいですね。。

わかりづらくてすみません。。

百聞は一見に如かず。

恥ずかしながらぬけた状態をご覧ください。

※わかりやすいように特にひどい状態の写真です。

こうなったら、一度仮張り板から剥がし、

再度、紙を湿らせて、仮張り板に張り込みます。

ぬけたからといって、

作品を傷めたり、その後の仕上がりに影響が出たりすることは

ありませんのでご安心ください。

ただ、この「ぬける」時の音、

何度聞いても心がざわざわします。。

作業場の片隅から

「ピリッ・・・ピリッ・・・」という

表現が難しい小さな音が聞こえ始めたら、ぬける兆候。

しばらくすると「ぱっつん!」という乾いた音と共に、

ぬけます。

本当に表具師の心臓に悪い音です。

◆

乾燥した日は、加湿器などで作業場内の環境を整えつつ、

糊の濃さや、湿りの入れ具合など、

いつも以上に気を使って作業するよう努めます!

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