埼玉「県展」の「書」作品出展について
2020年、2021年と開催延期になっておりました、
今回は第70回の記念開催です。
例年設けられている賞に加えて、
「第70回記念賞」が各部門に設けられており、
入賞のチャンスが増えているとのことなので
どうぞ奮ってご応募ください。
当店の店頭にもポスターの掲示を始めました。

当店では「書」作品のレンタル額装を取り扱っております。

「書」部門の搬入日は5月13日・14日です。
作品のお持ち込みは4月25日頃までにお願い致します。
それ以降になる場合は、事前にご連絡いただければ
ご対応できるよう努めます。
開催要項は当店でもお配りしておりますので
ご入用の方はお気軽にご来店ください。

開催要項の裏表紙には当店の広告も載っております。


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開催期間は2022年6月1日(水)~6月23日(木) ※毎週月曜休館
開館時間は10時~17時30分 です。
「書」以外に、日本画、洋画、彫刻、工芸、写真の部門があり、
15歳以上の県民(在学・在勤の方含む)であれば、どなたでも出品できます。
例年3,500点を超える出品数を誇る作品応募があり、
その中で審査に通った約2,000点が展示される、
県内最大の公募美術展です。
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この埼玉県展、第1回の開催は戦後間もない1951年(昭和26年)の
3月に開催されました。開催場所は旧大宮市の中学校だったようです。
第2回から6回の県展は、毎年のように場所を変えて開催されました。
1957年(昭和32年)に旧浦和市の別所沼公園内に埼玉県立美術館(現在はありません)
が完成すると、第7回県展以降は、そこで開催されました。
私の父が若かりし頃は、この別所沼の県立美術館に
県展の搬入・搬出に行っていたそうです。
google先生にうかがったところ、当時の写真が出てきました。

(さいたま市のアーカイブズセンターギャラリーというページから拝借しました。)
その後、年を追うごとに応募作品が増え、会場が手狭になったこともあり、
1966年(昭和41年)に旧浦和市に埼玉会館が完成すると、
第16回県展以降は、ここで開催されることになります。
1982年(昭和57年)には県立近代美術館が完成し、
第33回以降の県展はこちらで開催されています。
当店は、祖父の代に第1回の県展を担当し、
以降3代に渡って、県展に出展される方の表装・搬入出の
お手伝いを続けております。
ちなみに今でこそ当たり前になっている
アルミ製のレンタル額ですが、
県展が始まった当初は皆、木製の額縁に入れて展示していたそうです。
アルミのレンタル額を当表具店が導入したのは、
先述の別所沼にあった県立美術館で県展が開催されていた頃。
応募作品の増加に伴って、木製よりも傷がつきにくく、
長期に渡って使用できるアルミの額が適していると
祖父が考え、採用を決めたようです。
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県展に出展する際の「書」の規格寸法ですが、
仕上がり寸法(額に入れた状態の寸法)で
170cm×51cm、130cm×60cm、91cm×91cm
のいずれかの寸法以内、となっています。
この額サイズ、91cm×91cmの額は一般的な寸法なのですが、
170cm×51cm、130cm×60cmは、
一般的ではない額サイズです。
そのため、埼玉県外の表具店、額装店、書道具店に依頼すると、
手持ちのレンタル額がないという理由で
断られることがあるようです。
書道で使われることが多い半切の紙は、
四尺画仙(全紙)を縦半分に切ることからその名がついていますが、
寸法は136cm×34.5cm。
そこに書かれた作品を見映え良く納める額は、
一般的には160cm×45cm(「半切額」と呼ばれます)です。
となると、県展規格の170cm×51cmより一回り小さく、
見劣りすることになります。
逆に170cm×51cm、130cm×60cmの額は、
埼玉県展以外ではほとんど使うことが無く、
当表具店では「県展サイズ」の額と呼んでいます。
県展に出展するからには、県展サイズの額が最適です。
「書」部門での出展をご検討中の方は、
是非お気軽にご相談ください。