古糊の水換え2022
今日は、二十四節気で「大寒」と言われる日でした。
一年で、最も寒い時期とされているそうです。
そんな大寒の今日、毎年恒例の「古糊の水換え」のご報告です。
2018、2019、2020、2021の投稿も合わせてご覧ください。
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まずは寝かせていた甕を取り出します。

和紙の封を取り除きます。

いよいよ御開帳。今年はモザイクなしで行けるか!

ギリギリ、モザイクなしでOKと判断しました。
(ご気分悪くされたらごめんなさい。。)
見えているのはすべてカビです。
厚み1センチくらいの層になっていて、
手で掴むと簡単にデロンっと取れます。
このカビを取り除き、バケツに捨てました。

表はともかく、裏は水に触れている部分のためか、
デロデロしていて、なかなかグロテスクな見映えでした。
このカビの層を取った甕の中はこんな感じ。

とってもきれいです。臭いも特にしません。
(写真右下にカビの層が見切れてますね…。)
溜まった水を捨て、糊の表面の少しヌルヌルしたところも捨てます。

ここにきれいな水を注ぎ、蓋をして、和紙で封をします。

作業完了。このまままた一年、寝かします。
来年はどんなカビに会えることやら。
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さて、問題はもう一つの甕。
2020年に作った糊です。昨年水換えをしようと開封したところ、
全くカビがありませんでした。
全体的に糊もヌルヌルでおかしな感じでした。
諸先輩方にアドバイスいただき、この甕については、
毎年水換えをする湿式工法ではなく、
水を使わず、障子紙や手拭いで糊を包んで甕の中で寝かせる、
乾式工法を採用することにしました。
そんな乾式工法の甕を開けてみます。

こちらもギリ掲載OKと判断。
障子紙に包まれた状態です。
糊の表面のカビを取るため、作業台に移動します。

臭いは特にしません。昨年はかなり臭かったのですが。
いよいよ障子紙をめくってみます。

・・・糊の中の方までカビが侵食していました。
残念ながら、この甕の糊は今年で諦めることにします。
一体何が悪くてこうなったのか、全く検討がつきません。
でも、古糊の生育(?)状況は、本当に甕ごとに全然違うようで、
同じ日に同じ場所で炊いた糊でも、
翌年のカビの色は青だったり、緑だったり、白だったり
異なるようです。
今回は運が悪かったと思って、
2018年産の糊を大事に育てつつ、
今年また新たに古糊にする糊を炊こうと思います。