掛軸 桐箱の蓋覆い
春本番。いかがお過ごしでしょうか。
本日は、掛軸を保管するための桐箱(軸箱)、
を保護するための「蓋覆い(ふたおおい)」のご紹介です。
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掛軸は湿度に弱いため、
調湿性や防カビに優れた桐箱に入れて保管するのが
一般的です。
著名な書家さんや画家さんが作品を手掛けられた場合、
その桐箱に画題や署名、落款がされていて(「箱書き」といいます)
よく真贋の決め手になったりもしています。
(なんでも鑑定団などでも良く取り上げられていますね。)
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そんなわけで箱書きがされた桐箱は、
それ自体もそれなりに価値のある作品といえます。
そんな桐箱を保護するため、タトウ箱と呼ばれる
紙箱にいれるのですが、
長年に渡って桐箱を出し入れしていると、
その箱書きが擦れて消えてしまう危険があります。
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それを防ぐため、桐箱の蓋に覆いを被せて
画題や署名を守るのが「蓋覆い」です。
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これが桐箱。(※箱書きはされていません)

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蓋覆いに使う紙は、鳥の子紙を使います。
細部の納めについては、表具師やお店によって
こだわりや決まりごとが様々あるようです。
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このように、桐箱の蓋に合わせて、鳥の子紙を
かたどって作ります。


作りたてなのでふにゃふにゃしてますが、
糊が乾くとピシッと箱に密着します。
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今回は、掛軸を納めた桐箱(軸箱)を、
タトウ箱に納める際に、
箱書きを傷めることがないよう
蓋に被せる、蓋覆いのご紹介でした。